あなたに触れても …… いいですか …… ?



近くて遠い距離

〜後編〜




部屋が冷えてきてツナはブルッと身体を震わせた。良く見ると窓を閉めていない。

布団に潜り込んで随分たったのだろう、外はもう暗くなっていて、雪が降っているのが窓から見える。



―― 寒いはずだよ…。



布団から出て窓を閉めようと窓枠に手を掛けたとき、門の前に見慣れた人物が見えた。

半分以上門に隠れてしまっているが、見間違えるはずがない。獄寺だ。


「ごっ獄寺くんっ!?」


思わず叫ぶと、見えている彼の肩がピクリと揺れた。そしてゆっくりとツナの方を向いた。

視線が合ってドキッとしたのも束の間、獄寺の頭の上に積もっている雪を見てぎょっとした。

その積もり方はついさっきここにやって来たなどとは到底考えられないほどのもので。


「いいいつからいたの!?いや、そんなことより早く上がって!!」


慌てて窓を閉めると、タオルを手にして階段を駆け下りた。

玄関に出て、上がれと言ったのに全く動いてない獄寺にタオルを掛け、強引に引っ張って自分の部屋に上げると、暖房を強に設定する。


「風邪引いちゃうから早く拭いて!オレ、下で何か温かい飲み物作って…」


そう言って立ち上がってドアに向かったツナより先に獄寺がドアを押さえてツナの行く手を塞いだ。





「ご…」


「10代目…。俺が10代目を嫌いになることなんか…ありえないです」





その言葉を聞いて、ようやく獄寺に言いたいことを言って逃げたことを思い出した。

さっきは逃げれたけれど今はどこにも逃げ場が無い。


ツナはキュッと唇をかみ締めると獄寺の目を見ることなく首を横に振った。


「う…嘘だ!だってオレと手が触れるのも嫌なんだろっ!!」


思いのまま叫ぶと、シーンとした空気が二人の間に流れた。

ツナは今度こそもう駄目だと思った。こんなこと言われて嫌にならない人はいないだろう。

じわりと涙が浮かぶ。


どうして自分はこうなのだろうか。



ツナが自己嫌悪に沈んでいると、獄寺が低い声でポツリと呟いた。










「…いいんスか…?」










「え?」










質問の意味が分からず顔を上げると真剣な瞳をした獄寺と視線が絡み合う。















「…いいんスか…?…触れてもいいんスか?」















切なそうな獄寺の表情に目を見開くと、急にツナの視界が反転して天井を映した。

ベッドの上に押し倒されたと気付く前に獄寺が覆いかぶさってきた。

瞬間、唇を奪われていた。


「っ…ごっ…!…ふ、んっ…」


ツナが考えるより先に深くなる口付け。

舌を差し込まれたかと思うとツナの縮こまっていた舌を絡め取られ、吸われたかと思うと唾液を送られて更に執拗に舌を絡められる。


頭では獄寺の行動に驚いていたが、心が待ちわびていたように震えた。

誘うような、そして強引に奪うような深いキスが繰り返される。


キスをしながらシャツをたくし上げられ、獄寺の手がツナの身体を這い回る。


「っ…んぅっ!」


その手の冷たさに身体をビクッと強張らせたが、獄寺の手は止まることなく、確かめるようにツナに触れる。


最初は冷たかった獄寺の手もすぐに熱くなってツナを撫でる。


好きな人に触れられるのがこんなにも嬉しいとは思わなかった。


息が苦しくなってきたけどキスを止めて欲しくなくてぎゅっと目を閉じる。

そのことに気付いたのか、獄寺はゆっくりと名残惜しそうにしながら唇を離した。

急に離れていく温もりに縋り付くように追いかけようとしたが、それを我慢すると、ツナはうっすらと目を開けた。


「…10代目…」


再び降ってきたキスは唇ではなく首筋に与えられ、キツク吸われてチリッとした痛みが走る。

そのままぎゅうっとキツク抱きしめられた。


「…ご、くでら…くん…?」


抱きしめたまま動こうとしない獄寺の名前を呼んで、恐る恐る背中に手を回す。

ツナが抱きしめ返すと獄寺の身体がビクッと震えた。


そして何かに耐えるように息を吐くと、獄寺は切なそうに言った。




















「…好きです…」




















「……え…」




















「俺は10代目のことが好きなんです…」




















思考回路が止まる瞬間。

ツナは呆然と天井を眺めることしか出来なかった。


「う…そ…だって…獄寺くん、は…」


「好きです…本当に…あなただけが…」


狂おしい胸の内を熱く告白してくる獄寺に、ツナの瞳に涙が浮かんだ。

抱きしめられていることにより獄寺のすごく早い鼓動が聞こえてくる。ツナの早い鼓動もまた獄寺に伝わっているのだろう。


「っ…だって…獄寺くん、オレに触らないようにしてたでしょ…?だからオレ…」



―― 嫌われたと思って…辛くて…。



零れそうになる涙を我慢していると、獄寺は更に力を込めて抱きしめてきた。





「……ら…」



「…何…?」





蚊の羽音の如く小さな獄寺の言葉を聞き取れなくて、ツナは首を傾げる。

獄寺はふう、と欲望を抑えているような熱いため息を吐いた後、ツナにも聞こえる声で呟いた。







「…触ったら…我慢ができないんです…」







「え?」







言葉の意味を理解しかねていると、ツナを抱きしめていた腕が緩められて獄寺が顔を上げた。

ツナと視線が合うと獄寺は目を細めてツナの頬に手を添える。







「…俺、10代目のことが好きになりすぎて…少しでも触れたりしたら止まんなくなりそうだったんス…」







慈しむようなその視線の甘さに。





触れたいと願うその熱い眼差しに。





ツナは頬を撫でる獄寺の熱い手を感じながら視線に捕らわれたように動けなくなった。


「とっ、止まんなく…って…」


獄寺の言葉を自分で口にして初めて意味を理解したようにカァァと顔を赤らめたツナを見て、獄寺は苦笑した。




「そんな顔するから俺、理性が持たないんですよ」





またキスをされて獄寺の舌がツナの口内を侵し始める。

さっきよりゆっくりとした舌の動きにツナはゾクッとした。


獄寺と触れ合ったところから、ずっとツナに触れたかったという欲望が伝わってきた。

そしてやっとツナは獄寺の心を理解した。



チュクッと舌を絡める音がツナの聴覚を刺激してきて恥ずかしいと思うけれど、それより何倍も何倍も嬉しさが溢れてくる。

ツナはぎゅっと瞳を閉じると、ありったけの勇気を振り絞っておずおずと自分から獄寺の舌に応えた。


「っ!?」


驚いたのは獄寺の方で、ガバッとツナから唇を離してツナを見る。

ツナが応えてくれるだなんて思わなかったのだろうことがハッキリと分かる驚き方をする獄寺にツナはクスッと笑みを零した。










「じゅ…」










「オレも、獄寺くんのことが好き…」










ツナの顔はすごく赤くなっていただろうけど、獄寺の瞳を見てしっかりと言い切った。



フリーズしたように動かない獄寺に、ツナは手を伸ばして触れる。

触れてもいいのだと解ったから、ずっと触れたいと思っていた獄寺の髪にも触れてみる。

ツナが触れるとビクッと身体を揺らしていた獄寺の手がゆっくりとツナの手首を取った。



「もう…取り消しはききませんよ」



冗談ではないことを確かめるように獄寺は言った。

ツナの手首を握る獄寺の手は震えている。


「うん」


ふにゃっとはにかむように笑いかけると獄寺の身体が震える。

獄寺は手に取ったツナの手を唇に運び、チュッと手の甲にキスを落とした。





「……もう一度…言ってもらえますか…」





まだこれが現実だと信じられないのだろう獄寺に愛しさが込み上げてくる。












「獄寺くんがすっごく好きだよ」












ゆっくりと、想いを込めてそう言うと、獄寺の顔が泣きそうに歪んだ。





「…れも……あ…い、してますっ…」





痛いほどキツク抱きしめられ、すぐに荒々しい口付けが降りてきた。

その口付けは眩暈がするほど幸せで。ツナもたどたどしく獄寺に応える。










と、キスに夢中になっているツナの股間に獄寺の手が伸ばされて、ツナはビクンッと身体を震わせた。


「んっ!?…んっ…くで…っくんっ…」


何とか離れようとするツナの奮闘も空しく、獄寺はズボン越しにツナ自身を触る。

ツナの声は獄寺の唇に吸い取られ声にならなかった。

その間に獄寺は素早くツナのズボンをずらして直接ツナ自身を掴んだ。


「っ!!んんぅっ!!」


ゆっくりと丁寧に獄寺の手がツナ自身を追い上げていく。反対側の手はすでにボタンを全部外されて役目を果たしていない服の中に侵入してツナの胸をつつく。

獄寺に触れられているという事実がツナ自身を固く熱くさせていた。


「まっ…んっ…ご、くでらく、んっ……やっ、あぁっ!!」


ようやくキスを解かれて声を上げて抵抗しようとするツナに獄寺の愛撫がそうはさせてくれない。


「って…あっ…まって…」


ようやく熱い吐息をもらしながらも待ったを言ったツナの言葉に、獄寺は首筋に埋めていた顔を上げた。

ツナの目に飛び込んできた獄寺の顔はまさしく男のモノで。獲物を狩るその眼光にツナはドキッとする。










「…すんません……止まりません…」




「え…あぁんっ…!」










ぽつりとそれだけ言うと、獄寺は手の動きを再開させてツナを追い詰めていく。

いつの間にかズボンを脱がされて足を開いて獄寺に全てを見られている羞恥にツナはギュッと目を瞑った。


「あ、あ、もっ…やぁあっ…あああああっ!!」


ツナの瞼の奥に閃光が走ったかと思うと、ツナは獄寺の手に放っていた。

ハァハァと荒い呼吸を繰り返しているツナの頬に獄寺はキスを一つ落とすと、獄寺は秘部にそっと指を侵入させた。


「んっ!!ご、くっ…んんっ!!」


異物感に眉を顰めると、獄寺は再びツナの前を抜き始めた。

達したばかりのツナにはそれはもう痛いほどの快感でしかなかった。


「あぁんっ…ふぅっ…あ、やっあっ」


ツナが感じている間に後ろはどんどん解かされていく。

いつの間にか2本の指が侵入しており、その獄寺の指がばらばらにツナの中を蠢く。



瞬間、ツナは脳天を貫くような快感に足を強張らせた。



「…ここっスか…?」

「え、や、あぁあっ…!!」


獄寺はツナの反応を見逃すことなく、指を増やしてツナのいいトコロを適確についてくる。


「やぁっ…だ、めぇっ…ソコっ…あぁっ…やああっ!!」


嫌々をするようにツナが頭を横に振って抵抗するが、獄寺は尚もツナに快感を与え続ける。


どうしてこんなに気持ちがいいのか解らない。


獄寺に触れられているところが疼く。


奥に…奥に欲しいと思った。




「んっ…はぁっ…ああっ、もっ…ご、でら…くっ…ああぁっ」




獄寺の温もりが欲しくて手を伸ばすと、獄寺は後ろに侵入していた指を抜き去った。


「はっ…10代目っ…好きっス…!」


ぎゅうっとツナの望むとおりにツナを抱きしめた獄寺は、もう我慢できないと自分をツナの秘部に押し付けた。

ぐっと腰を進めてツナの中に少しだけ入る。


「っあぁっ!!い、たっ…ごくで…ん…やめっ…」


散々溶かしたものの、ツナの後ろは獄寺のモノを受け入れるには狭く、ツナに苦痛を与える。

止めて欲しいと獄寺に訴えるが、余裕が無いのは獄寺も同じだった。


「す…みませ……ちょと我慢、してくださいっ」


零れ落ちたツナの涙を舐め取ると、唇を塞いでそのまま腰を進めた。

ツナの悲鳴を口で吸い取りながら強引にツナの中に納める。

ツナの中は暖かくて狭くて、獄寺を締め付けてくる。

正直、すぐにイッてしまいそうなくらい、ツナの中は気持ちよかった。


唇を離してチュッと頬にキスを落とすと、指でツナの涙を拭う。


「すみませんっ…辛いっスよね…」


汗でツナの顔に張り付いた髪を梳くと、ゆっくりとツナの瞳が開かれた。


「っ…うう、んっ…だいじょ、ぶ…だから…」


触れたかったのは…欲しかったのは自分も同じだから……。

いつもはツナに遠慮してばかりの獄寺があんなになりふり構わずツナを求めてくれたことが嬉しかった。


そう言って微笑みを浮かべると、獄寺は息を呑んでぎゅっとツナを抱きしめてくれた。















しばらくそのままじっとしていたが、痛みが和らいできたツナは獄寺に伝える。


「…い、よ…動いても…」

「っ…まだ辛いんじゃ…」


どこまでもツナの身体を案じる獄寺にツナはふっと笑った。


「動いて…お願いっ」


その言葉が獄寺の理性を砕くことは容易かった。

唇を舐められて舌を絡め取られたかと思うと、ずっ、と獄寺が動き始めた。


「んんぅっ…んっ!」

「っ…はっ…好きです…10代目…っくっ…!」


腰を動かしながらツナにキスの雨を降らせてくる獄寺に、ツナはぎゅっと抱きつく。

確かに痛いのだが、心が幸せだと叫んでいる。


「ふっ…オレもっ…好きっ…」


獄寺の首に腕を絡めて自分からキスを送ると、中に納まっている獄寺がドクンッと脈打ったのが解った。

と、その時、あの場所を獄寺が掠めた。


「っひっ、あぁっ!?」


思わず声が出てしまったことに自分でも驚いた。

獄寺は先ほどと同じようにツナの弱いところを擦りあげた。


「や、あぁっ…んああっ…や、そ、あぁあっ」


ソコを擦られる度、快感が走りぬけて身体が熱くなる。

ツナ自身ももうすでに張り詰めていて、解放したいとドクドクと脈打っている。

イイところを掴んだ獄寺の動きはもう容赦なかった。

ガクガクと揺さぶられ、その動きもどんどんと加速していく。


「あぁぁっ…くでら…くっ…も、イッ…!!」

「っくっ…俺も、ですっ…!!」


唇を吸われ、胸をつつかれ、前を抜かれて。ツナは目の前が真っ白になるのが解った。


「あ、あぁぁああああっ!!」


「っ!!くぅっ…!!」


ぐっと最奥を突かれ、ツナと獄寺は同時に達した。










荒い息が整わないままぎゅっと抱きしめられ、ツナはゆっくりと目を閉じる。


獄寺の鼓動が…吐息が…全てが好きだと思った。


「…身体…平気っすか…?」


獄寺の質問にツナはしっかりと頷いて答える。


「……俺、もう遠慮しなくていいんですよね…?」

「…うん…オレも…獄寺くんに触りたいときに触るから…」


承諾なしに触れられることがすごく嬉しくて、えへへ、と笑うと、獄寺もくすっと笑った。


「はい!」


見詰め合ってキスを交わすと抱きしめあって横になった。










その後欲望に忠実になった獄寺が再びツナを求めてきたので、ツナは次の日学校に行けなかったという。



そして、学校だろうが道端だろうが所構わずキスを仕掛けてくるようになる獄寺に、嫌じゃないから嫌とも言えないツナが頭を悩ませるようになるのは、もう少し先のお話。










〜 fin 〜
ぐはっ(吐血)!!
やっちゃいましたよっ!!エロ!!
…え…あ、そんなにエロくないっすか…あ、すんません…(笑)
リボーン小説でいきなりエロ……ιι
ハイっ!!!!次、頑張りまっす!!
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