「なー、戸叶…」
「…んー?」

「おまえ、黒木とヤったんだって?」
「!?」

俺は思わず読んでたジャンプを落とした。





百面相に制裁を





ここ最近、アメフト部でまとまって行動する事が多い。
今日も屋上に1年メンバー大集合とかして、昼メシ食ってワイワイしてる。

俺と十文字は日陰でのんびりしてたところだった。
んで、いきなりコレかよ。

十文字は、あっち向いてホイ大会とかやってるセナ達に視線を向けたまま、俺の回答を待ってる。


「……黒木か?」


俺は誰にも言ってねぇ。だとしたら、あのバカしかいねぇ。


「いや、直接は聞いてねぇ。」
「………いつから気付いた?」


「昨日の朝、黒木に会った瞬間から。」


俺はハーとため息をついて、落としたジャンプを拾った。
十文字は結構まわり見てっから、気付くのも時間の問題か…つーか、ヤった次の日にバレてる黒木もすげぇ…さすが天然百面相。



待てよ…つーことは―――



「セナ集合!」
「??僕?」

驚きつつも、こっちに駆け寄ってくるセナ。


それから―――


「52番はお呼びでない。回れ右!」
「はァあああ?!俺仲間外れぇ〜?」

「あー、後でアイスおごってやっから」
「おっ♪マジ?俺覚えとくかんね!取り消しとかはナシだかんな!」

ビシッと指差し、戻って行く。マジ単純バカ…。



おっと、それよりもセナだ、セナ。


「まぁ、座れや」


きょとんと首をかしげて正面に立ってるセナを俺と十文字の間に座らせ、肩に腕をまわした。



「で、セナ先生に質問です。」
「せ…先生…?」

「俺と黒木の事について何か気付いてることありませ・ん・か?」

語尾をわざとゆっくり言って強調する。



「ぇ…ぁ……その…」

この反応は───案の定、こいつも勘付いてるって事を確信した。

「…で、いつから?」


「う…うーんと、昨日の朝…黒木くんに会った時から…」


俺は本日2度目のため息をついた。



「…くっくっくっ…!!」
「そこ!十文字!笑うな!!」
「わっ?!」

セナの腕を掴んで、必死に笑いをこらえてる十文字の腹筋辺りを軽くどつかせた。

「ってっ!!くくっ!だってよ、戸叶…っくくく!!」

「あの百面相は後で制裁決定だな。」



なんだか顔が熱ィ───多分俺、今けっこー赤いと思う。



俺らの間でおどおどしてるちっこいヤツの肩に肘を置きなおし、小声で言う。

「内緒・な?」
「いっ!言わないよ〜!…てゆーか言えないってゆーか…その」

俺より赤くなってるセナの頭をガシガシとかき回して───そしてまだ笑ってやがる十文字に、今度はわき腹にパンチを見舞ってやる。



「い…イジメ!」
「セナ君大丈夫かい?」

大会は終わったらしく、気付けばみんなが寄ってきてた。

「あーー!!また懲りずにやってんのか!?3…いや、今1人抜けてるから…2兄弟か…2兄弟!!」
「兄弟でよくね?つか俺ら兄弟じゃねーって…」

すかさずバカ猿に冷静なツッコミを入れる十文字。そこに本日の主役、表情バカ登場。

「あーあ、ダメじゃん!十文字にトガ!セナいじめるとかァー」


「「いや、テメーが言えた口かよ!!」」


こんなくだらねぇ時間が、最近楽しいと思う───そして休憩終わりのチャイムが鳴った。



「げー!もう休憩終わりかよ!セナ!教室帰るぜ!!」
「うん。え…いや、モン太クラス違うし…!!」
「セナは俺らと帰るんだよな〜?セ…!?」



最後に入ろうとした黒木をドアの影に引き込み、口を塞いだ───舌のオプションつきで。



「…はっ…バッ!…トガッッ!!」

慌てて離れて周りをキョロキョロ見回す黒木。





───百面相に制裁だ───





耳元でそう吐き捨て、俺は先に階段を下りた。



「意味分かんねーよ!エロジジー!!」



黒木の叫び声が階段に響いて聞こえてくる───でも今はほっておこう。





「…見ちまったよな…」
「…うん…見ちゃった…」
「…俺も…あいつらの関係って……驚きMAX…」

ここに、哀れにも目撃してしまった輩が3名───



「つーか、俺は戸叶に制裁がイイと思う」



十文字のひと言に、一同納得するのであった。

The End
えー、こんなシチュに…そうとう萌える蓮根です☆ミ
天然百面相が黒木なら、トガは天然マイペースで…どんなもんでしょ?あ、ダメ??
どこでもかしこでもイチャってる戸黒は、ベタに白飯5杯はいけますvv
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