崩れる

「ふー。食った食った〜」
「片付けてくるよ。コータローはゆっくりしていてくれ」

そう言って赤羽は、食器を隣のキッチンに運んで行った。


「サンキュー!うまかったぜ!」

俺は、赤羽の後ろ姿にお礼を言った。



さて、と………ゆっくりっつってもなぁ………コイツんち、テレビと資料くらいしかねーしなぁ。


俺は、カバンめがけて仰向けに倒れた。
ユニフォームを入れてたソレは、ちょうどいいマクラだった。

腹がいっぱいになって寝転んだら、決まって睡魔に襲われる。



知らず知らずのうちに俺は、眠りに落ちていった―――










どれくらい時間が経ったのか、俺はふと意識を取り戻した。
とは言っても、すぐに目は覚めねぇ。起き上がるのもめんどくせぇ。

横を向くと、背中に肌寒さを感じた。
どうやら赤羽のヤツが毛布をかけてくれていたらしい。


…今日はこのまま赤羽の家に泊まろう。


もう一度上に向き直し、再び意識を手放しかけた時、すぐ近くで赤羽の気配を感じた。


「コータロー。起きたのか?」

返事をするのもめんどくせぇ。俺は寝たフリを続けた。

「………眠ったのか。まあいい、今日は一段と疲れていたみたいだったからな。ゆっくり休んだ方がいいだろう」
「…」


「コータロー………どうしてキミはいつも僕に突っかかる?」


俺は吹き出しそうになるのを必死でこらえた。

コイツ、寝てるヤツに話しかけ始めたぞ!アホなんじゃねーのか?!


「もう少し普通な態度で接してくれやしないのか…?」

「……」


やべぇ!マジでアホじゃねぇか!コイツ!俺、寝てるっつーの!

つか、返事して驚かせてやろうかな…!
赤羽のマヌケッ面とか、そうカンタンに見れるもんじゃねーしな!


「コータロー………」





っしゃ!キタキタ!何だ何だ??





「好きだ」





え…チョット待て!今何て…?





「―――!?!?」










―――ソレはほんの一瞬の出来事だった―――










「………少し出てくる………」


部屋から出た赤羽の足音が聞こえなくなってから、俺は勢い良く毛布をはねのけ起き上がった。


「…っ!………」


思わず口元を手のひらで覆う。





チョット待てって!どーゆー事だよ……?!










―――さっきアイツ―――俺に――――――キス―――










考えれば考えるほど、解らなくなっていく。

でも、唇に残った感触は確かに本物で。





何だよ?俺のこと………好き?










再び鳴り出した小さな音に我に返る。遠くから聞こえていた音は、だんだん近くなり、ドアの前でピタリとやんだ。


───ヤベェ!帰ってきた!


ドアが開く前に、あわてて数分前と同じ態勢に戻った。





赤羽は戻ってくるとすぐに、ソファに横たわった。



俺は寝返りをうつフリをして赤羽に背中を向ける。





───寝れるわけねぇっつーの!





───アイツの考えてる事がサッパリ解んねぇ。










ただ、俺の中で確実に、何かが崩れ落ちていく事だけは、解った―――











うんと、分かりにくいだろうけど、急展開赤羽コータローが泊まりに来てる時は毎回、一人で語って勝手にちゅーしてるといい。
それに今回は初めて気付いたコータロー!さてさて、どうなることやら…(^^)

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