───僕は佐々木コータローが大好きだ───










泣かない人泣けない人





「コータロー。今日少し付き合ってくれ」


練習を終え、帰ろうとしていたコータローを引き止めた。

最初は何?って表情をしていたが、僕が発した言葉だと悟ったとたん、眉間にしわを寄せて睨みをきかせてきた。


「は?何でテメーなんかに付き合わねーと…」
「頼む」


返ってくる言葉は容易に予想できていた。
だからコータローの肩を強く掴み、まっすぐ見据えて真剣さを伝える。


「………ケッ!」


しぶしぶだが了承してくれた。
部室のベンチに腰をおろし、室内に転がっている漫画を読み始めた。


「じゃ、コータロー、赤羽、お先〜!!」
「お疲れ〜!喧嘩すんなよ〜!」

「うるせ!じゃーな!」


部室には、僕とコータローの二人だけになった。

静まり返った部室の中に、突然響いた物音に少しばかり驚く。
音のする方へ目をやると、コータローは腕を頭の後ろに組んで仰向けに寝転んでいた。

漫画を読み終わったのであろう。ふぅとため息をつきながら、薄暗くなった天井を見つめている。


「すまない。行こうか」
「…おせーっての!」


部室の鍵を閉め、コータローの後を追う。





二人きりになると、コータローはおとなしい。
いつも喧嘩をしている風に見られているが、それはギャラリーが居る時のみの事だった。

もっとも、その事にコータロー本人は気付いていないが。


「で、どこ行くんだよ?」
「…?ああ、別に。コータローと一緒に帰りたかっただけだよ」
「はあ?何だよ、それ」


たまたま足元に落ちていた小石を見つけ、何気なくコツンと蹴飛ばすコータロー。
小石はまっすぐ放物線を描きながら、道路脇の溝へと落ちていった。


「スマートだぜぇ!!」


もはや口癖になっている台詞を発し、クシで僕を指す。


「そうだ。今日僕の家に寄って帰らないか」
「…なんで?」
「映画を見よう」


映画のタイトルを告げると、見たかった映画だったらしく、すぐにOKが出た。










「相変わらず、本だらけだなー!ちったぁ片付けろよ」
「一応、ジャンル別にはまとめているよ」


テレビの正面を陣取り、あぐらをかいて座るコータローの隣にイスを運んで腰掛けた。
それからリモコンの再生ボタンを押し、独特の世界観へとのめり込む。





この映画はかなり感動すると皆は言うが、僕は泣けない。



僕とは反対に感情表現が豊かなコータロー。でも、コイツは泣かない。



僕の前だから特に───



さっきまで泣きそうな顔をしていたというのに、僕の方を横目で見ては必死でこらえている。
サングラス越しに見られているとは気付きもしないで。





「ふぅ。スマートな話だったじゃねぇか!」
「そうだな」


コータローは、キョロキョロと辺りを見回し、一番近くにあった興味がないであろう厚めの資料を手に取り、パラパラとページをめくりだした。
ほんの数十秒眺めてすぐ本を閉じ、思い出したかのようにつぶやく。


「赤羽…ハラ減った」
「…何か作ろう。リクエストは?」
「んー…なんでもいいぜ!おまかせで!」


コータローは、口笛を吹きながら再び周りの物に手を伸ばす。


僕は、キッチンへ足を運ぶ。










───僕は佐々木コータローが大好きだ───





なんか…ね…赤羽の一人称は「僕」なんだけど…ね………………キモイ(笑)
彼はどこのおぼっちゃまですか?つーか、間違いなくナルシストだな。うん。凄いスキvv
つか、タイトルと内容が合ってない…合わせるために無理やり頑張ってるのが手に取るように分かるよ…イタイね(;o;_;)o

配布元→「0501」
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