───俺は赤羽隼人が大嫌いだ───










馬鹿は俺か





「コータロー。練習行くぞ」


突然背後から聞こえてきた声で、俺は現実に引き戻された。

机に突っ伏してた体を半分起こし、ボーっとしたまま少し辺りの様子をうかがった。
ちらほらと別れの挨拶が耳に入ってくる。

とっさに視界に入れた時計の針に驚き、一瞬で意識がハッキリした。


「……??うおっ!?もう放課後かよ?!」
「コータロー、疲れてんの?いつもは真面目に授業受けてるくせに〜」


からかい半分に笑いながらジュリが顔を覗かせてくる。
その横に居るらしい人物。



俺の一番嫌いな野郎。



最初に声をかけてきたのは、どうやらコイツだったみてぇだ。


「おっしゃ!スマートに部活だぜぇ!」


荷物をカバンに詰め込んで勢いよく立ち上がる。
アイツを目に入れないよう、教室の前のドアからグラウンドに向かった。





思えば、初めて会った時から気に入らなかった。

なんつーの?ひとことで言ったらキザなんだよ。キザ。
どこでどう出会ったとかは忘れちまったけど、アイツの赤い瞳がカナリ印象的だったのを覚えている。


「お〜っす!今日もスマートだぜぇ!!」


先に来ていた部員達に挨拶をし、ロッカーに荷物を投げ込む。
少しすると赤羽が部室に入ってきた。


お決まりのギターを背負って。


だいたい、ソレが一番気にくわねーんだっつの!

ギターを俺の隣のロッカーにしまい、赤羽は上着を脱ぎはじめた。



練習の合間の休憩時間には必ず音が鳴る。

ハッキリ言ってかなり上手ぇ。

時々俺の知ってる曲…イヤ、好きな曲が流れてくる時がある。
ナンカ気に入らねぇから、俺はいつも止めに入る。


つか何でギター持ってくんだよ?!部活だろ?
俺のクシはいいんだよ!必要だから!

ギターとかすげぇ必要ねーだろ?!


「コータロー…着替えないのか?」


どうやら着替え終わったらしく、サングラスをはめ直しながら赤羽が口を開いた。

俺はユニフォームを握ったまま、まだネクタイすら取っていない状態だった。
あわてて服を脱いでユニフォームに頭を突っ込む。

黙々と準備をする赤羽の横顔を一度睨んで、いつもの憎まれ口を叩く。


「うっ!うるせー!チョット考え事してただけだよ!ケッ!」

「…僕を見ながらキミは一体何を考えている?言いたいことがあるなら言えばいい。」





一瞬血の気が引いた。





マジかよ…俺…ずっとコイツ見ながら…?



どうしちまった?今日の俺…。



クソッ!何、ひょうひょうとギターの手入れとかしてんだよ!コイツは!!



ハラガタツ!!



「おっ…お前なんか俺より小せぇくせに!ぺぺぺっ!」
「関係ないだろう。おい!コイツにはかけるなよ!」

「うるせー!ぺっぺっぺっ!!」


赤羽が体を張って守るギターに向かって、さらに唾を吐きかける。





自分でも訳がわかんねぇ。



ただ、カナリ焦っている。その事だけはイヤと言うほど実感していた。





何を慌てる必要がある?





ボーっとしてたら、たまたまヤツが居たってだけじゃねーか!



ロッカーを勢いのまま閉め、最後にまた唾を吐いてから部室を後にした。










───俺は赤羽隼人が大嫌いだ───





はぁ…すっかりはまっちまったよぅ…赤コタvv王道よね?王道vvつーか、ムサコタが好きvv
小説も書けば書くだけ上手くなる(と信じてる)んで、がんばりまっすぁvv

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