何よりも……



誰よりも………





君を


想う―――。






I want …

― 前編 ―





夜の闇は深い。すでに日付は変わっており、時計は1時を指している。


工藤新一は先ほどから、自分の折りたたみ式の携帯電話を開いては閉じることを繰り返していた。

携帯電話を開いては時計をちらりと見て、携帯電話に視線を戻して閉じる。

事件では冷静沈着な新一が、何故か落ち着かないようにそわそわとしている。

新一の手の届く位置のテーブルに、買ったばかりの推理小説が置いてあるのだが、それを少しも気にすることもなく、ただ時計を見たり携帯を見たりと忙しない。



その理由は、西の名探偵、服部平次にあった。

新一と平次は付き合っている。しかし、東京と大阪という距離の隔たりから、会える機会はとても少ない。いわゆる、遠距離恋愛というものだ。

東京と大阪。その距離は二人にとってはとても遠いものだった。

都合がつく土日などは会ったりもするが、二人の都合がいい日がなかなかないのである。

だから二人が会えるのは1、2ヶ月に1回くらいの割合でしかなかった。

もう、2ヶ月以上会っていない。


そんな二人を毎日繋ぐことができる唯一のものが、電話という手段である。



そう、新一は平次の電話を待っていたのだ。




今日は平次に用事が出来たということで、いつもより電話をするのが遅くなるかもしれないと、昨日の電話で言っていた。

忙しいなら電話しなくてもいいと気遣った新一に、平次は少しだけ不機嫌になりながら、『俺が工藤の声を聞きたいんや!』と、断固として電話をするからと言い張った。



些細な一言がとても嬉しくて。ドキドキした。



そして今、平次からの電話を待っている。

平次から電話がかかってくるまで、推理小説を読もうと新しい推理小説を書店で購入した。

しかし、新一は推理小説を読むこともなく、長い時間、時計を見たり携帯とにらめっこしたりしているのだ。

楽しいはずの推理小説を読みたいとも思えない。

新一は座っていたソファに体を横たえた。


「……服部…」


声に出して平次を呼ぶと、声が聞きたい気持ちに拍車が掛かる。

自分がこんなに人を好きになるとは思ってもいなかった。



男同士なのに。ライバルなのに。



なのに。どうして、こんなにも好きなのだろうかと、不思議に思う。




一日中、平次のことを考えている。気がついたら、平次のことを想っている。





どうやっても止められない想いがあることを 初めて 知った…。





早く、声が聞きたい。







その時、握り締めていた新一の携帯の着信音が鳴り響いた。

ガバッと起き上がって着信を見ると、服部平次、その人だった。

すぐさま通話ボタンを押して電話に出る。


「もしもし、服部!?」

『よぉ、工藤!遅なってすまんな』


ずっと聞きたかった平次の声が、新一の心に染み渡る。


「いいよ、別に。それより、用事は大丈夫だったのか?」

『あぁ。ほんまはもうちょい早よ終わる予定やったんやけどな、大学の先生に捕まってしもて』


苦々しい平次の声に、新一はぷっと吹き出した。


『あ、笑い事とちゃうんやで!?こっちはまだ予定ある言うのに資料まとめ手伝わされてやなぁ…』


本当に大変だったのだろう、平次がぶつぶつと文句を言っている。


「服部も大変なんだな」

『何や、今まではそう思うてなかったみたいな言い方やんか?』


不服そうに言う平次に笑いが出てくる。くすくすと笑いながらからかうように言ってやる。


「いや、だってお前、いつも電話で大学は楽しい、みたいな事言ってっからさ」

『ん〜、まぁそうなんやけど…』


肯定の言葉を出しながらも言葉を濁している平次に、新一は首をかしげた。


「何だよ?不満でもあんのか?」

『そりゃありまくりやで!?』


平次は新一の問いに力強く即答する。よほど不満でもあるらしい。


「何で?」


いつも電話で聞く大学の話は、とても充実しているようで楽しいとも言っていたはずなのに。





『何でて……工藤が居らんからやん』





「っ//!」


カッと新一の顔が一瞬にして赤く染まる。


平次は何かと直球タイプで、思ったことはちゃんと口に出して言える奴である。

新一はそういう恋人に贈る甘い言葉を言い慣れていないのに加え、言われ慣れていない。

最近になってだいぶ慣れた方だとは思うが、それでもまだ顔が赤くなってしまうのだ。


『照れてんのやろ、工藤?ほぉんま可愛え奴っちゃなーvv』

「っだ、誰がっ//!」


そうは言ってみるものの、顔が火照るのが止められない。

そして、そんな新一を平次はちゃんと解っているのだと思う。

自分のことは自分が一番知っているのが当然のことなのに、もしかしたら《工藤新一》のことは、本人よりも平次が一番知っているのではないかと思ってしまう。

服部平次はそういう存在だった。


それは少し恥ずかしい反面、とても嬉しいことだった。

だがしかし、自分だけ見透かされているようでいささか悔しいのも本当。

何とか反論しようとした時、ふと、新一は電話の向こうの変化に気づいた。


「…?服部、外にいるのか?」


電話越しに車が走る音が微かだが聞こえてきたのだ。


「ん?ああ、よう解ったなぁ」


流石は東の名探偵、と笑う平次に、新一は眉を顰めた。


「こんな時間になにしてんだよ?早く家に帰れよ?」


いくら平次が強いからといっても、最近は物騒だし、夜は危ないのだ。

何が起こるか解らないし、もしかしたら事件に巻き込まれてしまうこともあるかもしれない。

そう考えると、心配でいてもたってもいられなくなる。

本気で心配する新一に、平次は嬉しさを含んだ声で笑った。


「心配性やな、工藤は♪」

「なっ///!」


そう言われると、反論できない。確かに自分は、平次のことに関してはとても心配性だという自覚はある。

好きな人のことが気にならない人なんているわけがないのだから。


「心配せんでももう少しで着くし、大丈夫やで」

「…なら、いいけど…」


安心させるように優しく言う平次に、新一は何も言えなくなってしまった。

新一は平次に対しては弱くなってしまう。もちろん、言いたいことはしっかりと言わせてもらっているが、平次の優しい声に勝てたことはなかった。


ふいに新一の耳に心地良い平次の声が響いた。



「…工藤…」



ドキンッとするが、必死に冷静さを失わないように返事をする。


「何、だよ?」


動揺が声に出てしまったのか、平次がくっと笑う。



そして再び、呼ぶ。





「……工藤…」





「服部?」




新一を呼ぶその声があまりにも甘く響くので、新一は胸の高鳴りを抑えきれない。

でも、そんな声を聞いてしまうと、無性に会いたくなる。



少しの間沈黙が続いた。が、それもつかの間のことで。











「……工藤、好きやで…」











平次は一等甘く愛しそうに、そう囁いた。


「っ!///」


何て優しく囁くのだろう。


一瞬感じた眩暈と、ドキドキしっぱなしの心臓に翻弄される。












「………めっちゃ工藤に会いたいわ……」












「っ!」


会えないことが切なくて、苦しくて、擦れている平次の声。


新一は声が出なかった。



自分も、すごくすごく会いたい。



会いたくて会いたくて。声に、ならない。






「工藤は?」

「え…?」


そこで新一に質問を投げかけてくるとは思わず、少し間抜けな声を出してしまう。



「工藤は俺に会いたいと思うてくれとるんか?」



質問の意味を理解した瞬間、自分の体温が上昇していく。


「っ〜、バカじゃねぇの!……わ、解ってること、聞くなよっ!!」


会いたいと思わない日はないほど、平次と会いたいのに。





今この時だって、こんなにも平次に会いたい。






それでも素直に口に出せないのは、少しだけ意地っ張りな自分の性格。


「せやかてな〜」


くすくすと電話の向こうで笑ってる平次を想うと、胸がキュンと締めつけられるのが解る。


どうしてこんなに好きなんだろうと、いつも考えていることをまた考え始める。


声を聞くだけでも十分だと思えるのに。


声を聞くと、会いたくなって。







……会いたくて…。














ずっと。ずっと会いたい。










平次の声を聞いて。平次の顔を見て。触れていたい。








声は聞けるのに、平次を見ることができないのは、少しだけ寂しい。

















………… 切ない ――。















新一はやりきれない想いに、ゆっくりと口を開いた。



「……も…」



思ったように声にならなかったのに、平次は気付いたようだった。


「ん?何やて…?」


優しく問い掛ける平次の声に、新一の想いが溢れ出した。























「…俺もっ……会いたいっ…」








そこでいきなりプツッと通話が途絶えた。


新一の耳に聞こえるのは、ツーツーという音だけで。


「っえっ!?」


驚いて携帯を耳から離して画面を見ると、どうやら切れた原因は新一の携帯らしく、充電してくださいという文字が映し出されていた。


慌てて自室に戻って充電器を探す。しかし、いつも置いてあるところに充電器がない。

そういえば大学に持っていって、そのまま自分のロッカーに置いてきた気がする。


「…最悪…」


自分のしでかした過ちに深いため息を吐く。

こんなことなら、家の電話を使わないからと言って止めてしまうのではなかったと後悔した。


明日朝早く大学に行って充電して。すぐに平次に電話を掛けて謝って……。


そんなことを考えるけれど、とてもじゃないが耐えられないと思う。

たかだか数時間のことなのに。酷く、長い。


今までだったら、全然平気だったのに。


推理小説を読んでいれば時間なんかあっという間に過ぎていたのに。






会いたい。







…会いたい。










………会いたい……。












想いは膨らむ一方で。留まる術を知らない。


自分の気持ちを落ちつけるために散歩でもしようと考えた新一は、薄手の上着を羽織ると家の鍵だけを持って自室から出た。

少し肌寒くなってきた夜に散歩すると、頭は冷えてくれるだろう。

そんな淡い期待を抱いて玄関のドアを開いた。



顔を上げた瞬間、新一は固まってしまった。


ただただ新一の視線の先にいる人物を眺めるしかできない。



そこには、驚いた顔で新一を見つめる、平次がいた。









先に動いたのは平次の方で、ふっと柔らかい笑みを浮かべる。


「久しぶりやな、工藤」


新一は、信じられなかった。

幻だ、と思った。


自分が平次に会いたくてたまらなかったから。だから幻を見ているのだ、と。


しかし、幻であるはずの平次は嬉しそうに新一に話しかけてくる。


「何やチャイム押そ思うた時に工藤が出てくんのやから、びっくりしたで」


固まったままになっている新一に、平次は近づいてきた。

そして、新一を見ると不思議そうに問い掛ける。


「工藤、これからどっか出かけるところやったんかいな?」


その問いかけに答えることも、新一には出来なかった。

新一の様子に気づいた平次は、伺うように新一を覗き込んでくる。


「工藤?」


「……な、んで…?……何で、居るわけ…?」


ようやく搾り出せた言葉はそれだけだった。


「ん〜?…そら、工藤に会いに来たからやん」


平次は少し考える素振りを見せてそう言うと、照れたように笑う。


「で、でも、だからってお前っ…」


何を言っていいのか解らない新一は混乱する頭を整理しようと必死になった。


本当は、会えて嬉しい。


本当に。…本当に、嬉しい。




でもそれを伝えられるほど新一は素直ではなくて。



平次は頭をめぐらしている新一を苦笑しながら見ると、そっと新一の頬に触れた。


「っ!」


その仕草だけで新一は簡単に言葉を失ってしまう。

そんな新一が可愛くて。平次はくすっと笑って。


一番、自分が望んでいることを口にする。





「…工藤…抱きしめてええ…?」





新一の頬に触れる平次の手が、微かに震えている。そのことに気付いたときにはもう、新一は平次の腕の中に収まっていた。


ぎゅうっと抱きしめられて、平次の温もりが伝わってくる。


「……工藤…」


強く抱きしめられすぎて、少し苦しい。だけど、それが心地良い。

これが平次の温もりだと思うと、少しだけ安心して、それからすぐにドキドキと鼓動が落ち着かなくなる。


―― 服部…


心の中で名前を呼んで、きゅっと平次の背中に腕を回す。

久しぶりの再会に、お互いの存在を感じる。


二人には、それだけでよかった。










 











「コーヒー作るから、服部は座ってろよ」


平次が来てくれたことにより出かけるのを止めた新一は、平次を家に入れるとソファを指差して座るように言う。


「あ、上着はそこに掛けといてくれればいいからな!」


それだけ言い残すと、いそいそとキッチンへ向かい、平次の為にコーヒーを入れる準備をする。

平次が会いに来てくれた事実が、思った以上に新一の機嫌を良くしており、新一はウキウキとした様子でコーヒーを入れ始める。



コーヒーを作っていると、キッチンに平次が入って来た。


「服部?」


何か不都合でもあったのだろうかと、コーヒーを作る手を止めずに疑問符をつけて呼ぶ。


「どうしたんだ?座ってろよ?」


そう言うと、平次が動く気配がした。そして、ふわりと後ろから抱きしめられる。


「っ//!?」


平次の行動に驚き、思わずコーヒー豆を落としてしまいそうになる。


「…せっかく工藤に会えたんやで?離れてたら意味ないやん」


拗ねたような言葉を嬉しく思いながら、新一はくすくす笑った。


「コーヒー入れるだけだぜ?」

「一秒かて惜しいんや…ずっと工藤の傍に居りたい…」


直接耳元に囁かれる愛の言葉に、新一はボンッと爆発したように真っ赤になった。

その姿を見て、平次はくっと笑う。


「めっっちゃ、可愛えvv」

「こ、このバカッ//!」


新一は後ろから抱き付いている平次から何とか気を紛らわそうとコーヒーを入れることに専念する。

流石にコーヒーを入れている間、邪魔はしないだろうと思っていた新一が、甘かった。


平次は少しムッとした表情を作ったが、すぐに何かをひらめいたようにニヤッと笑みをこぼした。

そしておもむろに、新一の首筋に唇を落とした。


「ひゃっ//!?」


心底驚いている新一を可愛いと思いながら、平次はぺロッと新一の首筋を舐めて吸い付いた。


「んっ//!」


途端に新一の背中にゾクゾクとしたものが走り抜ける。

暴れて逃れようとする新一をぎゅっと抱きしめると、力の差もあり、新一はなすすべが無くなっているようだ。

キツク吸い上げると、ビクンッと新一の体が跳ねる。

新一は、もうコーヒーを入れることもままならない状態になっている。





ゆっくりと唇を離してしっかりと所有印を残したことを確認すると、平次は満足そうに笑い、最後にチュッとキスマークに唇を落とした。

少しだけ腕の力を弱めてやると、新一は顔だけ平次に向けてきた。そして真っ赤になった顔で平次を睨む。


「っ…は、は、服部のバカ、やろっ///!」


そう言う新一の瞳は快感で潤んでおり、迫力なんか微塵もない。


「何や、コーヒーにまでヤキモチ妬きそうやなぁ」


くすくすと笑みをこぼしながら新一の頬にキスをした。それだけで更に新一は赤くなっている。

平次の行動一つ一つに右往左往している新一を見ていると、心が温かくなる。


「やっぱり電話やなくて、ほんまモンの工藤がいっちゃんええわ」


しみじみそう言うと、新一ははっと我に返って、まだ少しだけ赤みが残る顔を平次に向けた。


「あ、電話!途中で切れちまったのは…」

「途中で切れたんは、工藤の携帯の電池が切れたからやろ?充電器もどっかに置いたままになっとるてとこか?」


新一が理由を口にする前に、自分の推理を言う。


新一から会いたいという言葉が出てきたときに通話が切れてしまい、正直平次も少なからず驚いた。

どうかしたのかと再び新一に電話を掛けてみても、電波の届かないところにいるか電源が入っていないという機械的な女の人の音声が流れるだけだった。

そして先ほど口にした推理の結論に至った訳で。

そうは推理しても心配であることに変わりはないので、平次は少しだけ歩く速度を速めて新一の家へ向かったのだ。


新一が何も言えないでいるのを見ると、図星なのだろう。


「西の名探偵をナメたらあかんで」


ニヤッと不適な笑みを新一に見せると、きょとんとした後、新一もふわっと笑った。

そのキレイな笑顔に、平次は少なからずドキドキしてしまう。


―― 可愛すぎやで、工藤…


メロメロになっている平次に、新一はコーヒーを入れて渡してくれた。


「おう、サンキュー」


新一の入れるコーヒーは、好きだ。美味しいし、新一の気持ちがこもっている気がする。

二人はコーヒーを持ってリビングに行くと、ソファに腰掛けた。もちろん、二人が離れて座ることはない。

久しぶりの逢瀬ともあり、事件の話や大学での生活などを話していると、時間はあっという間に過ぎる。



新一が時計に目をやると、すでに2時になっていた。


ふいに現実に戻ってしまった新一は、平次に問い掛ける。


「…服部…今日はいつまでいられるんだ?」


少しでも長く、一緒にいたいのに。時間は否応なしに過ぎて行く。

平次の表情を伺うように見ると、平次はくすっと笑った。


「…何や、それ?もしかして誘っとんのかいな?」


妖しい雰囲気をかもし出しながら、平次は先ほど付けたキスマークをそっと指でなぞる。


「っ//!!ば、ばっ//!!」


平次は一瞬の内に赤くなってしまった新一を見て少し残念そうに笑いながら、新一の頭を軽く撫でてやった。


「冗談やて。せやな、今日の始発で帰ろ思うてるけど?」


そう言ってコーヒーを飲み、コトッとテーブルに置いた。


―― 始発…。


少し前まであんなに長く感じていた時間が、短い。

新一は急に泣きそうになった。


さっき会ったばかりなのに、もう離れることを考えなければならないなんて。



平次の声を聞いて。


平次の温もりを、感じたい。



新一はきゅっと唇をかみ締めると、ぎゅうっと平次に抱きついた。


「え、く、工藤ぉ?」


驚いたように声を上げる平次に構うことなく、離れまいとしっかりと抱きつく。


平次が驚くのも無理はない話で、新一から平次に抱きつくなんてことはとても珍しいことなのだ。

平次が抱きしめると抱き返してくれはするものの、新一からなんて、ほとんど初めてのようなものだ。


「くど…」


新一を呼ぼうと口を開くと、新一からのキスが与えられた。

新一からキスをもらえたのは正真証明初めてだったので、平次は驚愕に目を見開いた。

驚きは凄まじいものだったが、すぐに離れていく新一の唇を追いかけ、ぎゅっと抱きしめて再び唇を塞ぐ。

愛しい愛しい恋人からの初めてのキスに、平次の欲望にはすでに火がついてしまっていた。



「…ええんか?」


欲情に濡れた声で問いかける平次に、真っ赤になりながらも、新一はしっかりと頷く。


だって、平次が欲しいのは、本心だから。


欲しくて欲しくて堪らない。









………ずっと…会いたかった…。








平次は新一の頬にキスをすると、新一の手を引いてベッドに行く。


「…めっちゃ好きやで…」


平次は愛しそうに新一の耳元に囁きかけると、ゆっくりと新一をベッドに押し倒した。

新一も求めるように平次の首に腕を絡める。

すぐさま深いキスを与えられ、新一の中の熱が高まっていく。


「っ………とりっ……」


キスだけでも、すごく感じる。


キスを与えられながら服を脱がせられる。


触れ合う素肌が気持ちよくて、平次を抱きしめる腕に力を込めた。


「…工藤」

「っ…あっ……んっ…」



ふと、いつもより平次の愛撫が性急なのに気づいた。


優しくいたわるように愛撫するいつもとは違い、新一を気遣いながらもどこか荒々しさがある。








「…はっと…あぁぁっ」


口を開いた途端、いつもより短時間で解かされた秘部に、平次が押し入ってきた。


「ふっ…くっ…」


声を抑えようと噛み締めている唇を平次の舌がそっとなぞった。


「…すまん……辛いか?」


平次の荒い息が新一の頬にかかり、そのままキスをされる。

痛みを伴わないわけではないが、新一は涙目ながらにふっと笑うと、平次の両頬に手をかけてキスをねだった。




平次は新一に応え、何度も角度を変えて深いキスを仕掛ける。


「んんっ……ふっ…んぅっ」


そのままゆっくりと平次が動き出した。


「んっ!…んっ…うあっ」


律動はすぐに激しいものに変わり、新一の思考回路を完璧に遮断してしまう。



強引に、激しくされるのは初めてで少しだけ戸惑ったのだが。



平次の、熱い欲望がさらけ出されているようで……嬉しかった。





自分が求められていると実感でき、すごく満たされている。



しかし、そんなことを考えていられたのは本当に少しだけで。



平次が動くたびに自分の思考力がどこかへ飛んでしまう。



新一の身体を知り尽くした平次は、ピンポイントで新一の感じる部分を擦り上げる。


退いたと思ったらすぐに突き立てられて。



息も尽かさぬほど激しく揺さぶられて声を上げさせられて。



快感で苦しいと訴える新一に優しいキスを送りながら、腰をグラインドさせて更に新一を攻め立てる。







熱が 上がっていく。































「ああっ…は、っと……もっ…あっ」







「……くっ…俺も……もたへんっ…」







平次は欲望をぎりぎりまで引き抜くと、間髪いれずに一気に奥まで貫いた。



「ああぁっ!」



更に激しくなる攻めに、新一の目の前が真っ白になる。



「っはっ…ああああっ!!」

「…っ…工藤っ…!」



新一が果てたと同時に、平次もイッた。



熱を開放した瞬間、新一の上に平次が圧し掛かってきた。新一の頭の両脇に腕を付いて支えているものの、ずしっと平次の体重が新一にかかってくる。



それは心地良い重さで。新一はだるい腕でしっかりと抱きしめた。




呼吸が整わぬまま、平次がチュッとキスを落としてくる。



そのキスが深いものへと変わるのに時間は掛からなかった。




新一はうっとりと愛しい人のキスを甘んじて受けていたのだが、新一の体の中に収まっている平次の変化に、驚いて目を開けた。


「っ……えっ…?」


平次を見上げると、視線がぶつかる。




「…すまんけど、止めてやれへん…」




平次の瞳は熱く燃えていて。



欲情が、はっきりと出ている。









新一が何かを言う前に、再び硬さを持った平次が動き始めた。


「うっ…ぁっ……はっ…」


先ほどイッたばかりの新一には、快感が強すぎて。

それでも平次を拒むことなど出来るはずがない新一は、必死に平次にしがみついた。


「工藤が……欲しい……」


再び高まって行く熱に翻弄されながら、新一は平次を感じていた。











はい、12,000リクでございますっvv
いつも花蘭に優しいお言葉をかけてくださるKiM様からリクエストをいただきましたっvv
本当にありがとうございます〜vv

えーと…Hしてますが、これは決してエロではないです(直球/笑)つか、エロくなってないですιι
じゅ、15禁くらいかな?と思って書きました。ので、おおまかな流れだけです…vv
リク小説にこんなもの書いていいのか?とも思いましたが、イチャイチャラブラブ付きで、とのことでしたので、許してくださいませvv(笑)

うーん、しかし、あんまり切なくならなかったやも…ιι
頑張って精進いたしますっっιιι
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